空と君とダイヤモンドと
「瑛梨奈ちゃんのこととこの優勝のことは別だよ」



あたしの考えが読み取れたのか塁くんが苦笑いする。



「…え」


「優勝はワカなしじゃありえなかったから。だからそのワカが瑛梨奈ちゃんのおかげって言って、そのボールをあげたいならもらってほしいと思う」



塁くんの言葉に手に乗せられたボールを軽く握る。



「なんか書いてよ」



ワカにボールを差し出す。



「なんかって?」


「サインとか…」


「プロじゃねぇからただの署名だぞ?」



ワカがくすっと笑う。



「記念だし。プロになったら自慢になるでしょ?」


「ははっ瑛梨奈らしいや。マッキーとかあんの?」


「ベンチにある!」



あたしはベンチに走る。



「瑛梨奈ちゃん」



マッキーをカバンから出そうとしてると塁くんに声をかけられる。



「優勝したから次の日曜はパレードだよ」


「そうですね」


「パレード終わったら話あるから」



塁くんの言葉にばっと塁くんの顔を見上げる。


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