空と君とダイヤモンドと
「俺と付き合ってください」



ずっと言われたかった。
自分から好きになった人に言われたことのないこの言葉。



「あたしこそお願いします」



深々と頭を下げる。



「よかった。1度離れてるしさ、こんな事言う権利ないってほんとはずっと思ってたんだ」


「…うん」


「初めから瑛梨奈ちゃんに惹かれてて、でも俺には涼香がいたかは1度は諦めた」



塁くんがまたひとつひとつを丁寧に話す。



「一度離れてから諦めなきゃって思うほど多くなってってさ」



塁くんの言葉はあたしの胸にすんなりと入り込む。



「瑛梨奈ちゃんが大好きだよ。これまでもこれからも」


「塁くん、あたしも。あたしもずっと大好きだった。今も」



ワカのことも好きだったけど
でも、これであたしは塁くんだけを見ることができるんだ。
もうよそ見はしない。

まっすぐ前だけを……──


この前のキスなんて脳裏によぎったりするけど
それは全部閉まっておくの。

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