空と君とダイヤモンドと
「ありがとう。ワカ」


「幸せにしてもらえよ」


「…うん。塁くんに幸せにしてもらう」



本当は、幸せになるなら相手はワカがいいなんて思ってしまっている。
でも、そんなこと言えない。
いくらワカが好きだって気づいたからって塁くんを手放すなんてもうあたしにはできないんだ。



「なんでそんな泣きそうな顔してんだよ」



ワカがあたしを見て苦笑いする。



「え?そんな顔、してる?」


「うん。一部員なんて嘘だから泣くなよ」



ポンっとあたしの頭に手を乗せる。




「ほんと?」


「あぁ。友達としてお前の幸せ見守ってやる」


「心強いね」



あたしたちは顔を見合わせて笑い合う。


これでいいの。
近くにいてくれるならそれで。
遠くに行ってしまうのは嫌なの。
あたしのわがままでしかないのかもしれないけど。

でも、ワカには近くにいてほしい。
ただのワガママなんだろうけど。
それでもあたしはワカに近くにいてほしいと願う……──

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