空と君とダイヤモンドと
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「瑛梨奈ちゃん、今日ご飯食べに行かない?」



部活終わり。
塁くんが笑顔で誘ってくれる。



「うん!行く!」



塁くんの笑顔が大好きだから。
嬉しくなる。
そしてこの笑顔を守りたいとも思うんだ。
だから、あたしは塁くんが好き。
そう思っている。
それでいいんだと言い聞かせる。



「なにあるの?この辺」


「あーこの辺一つしかお店ないからそこでいい?」


「うん。いいよ」



去年はワカと行ったなーなんて思いながら横を歩く塁くんを見る。



「ん?」


「ううん。幸せ感じてるだけ」


「なにそれ。可愛すぎ」



あたしの手をそっと取る。

あたしも塁くんのその手をぎゅっと握る。



あたしってこんなんだっけな。
塁くんといるのはたしかに楽しい。
でも、脳裏に浮かぶのはどうしてもワカのことで。
消したくても消えてくれない。



「俺も幸せ」



塁くんの言葉にニッコリと微笑んでみせる。

なにも気付かないでねと思いながら……──

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