空と君とダイヤモンドと
「しょうがないですよね。瑛梨奈さんには瑛梨奈さんの気持ちがあるし。ワガママいってごめんなさい」



一年前とはまた違う。
少し大人になった彼女を見た気がした。



「てか、唯お前は彼氏いるんだろ?」


「え?」



塁くんの言葉にビックリして唯ちゃんを見る。



「いますよ。奏汰(カナタ)から聞いたんですか?」


「あぁ。ワカワカ言ってないで奏汰のことちゃんと見てやれよ」


「わかってますよ。でも、ワカ先輩はずっとやっぱり憧れなんで」



たぶんちゃんと唯ちゃんは〝奏汰〟と呼ばれた男の子のことが好きだと思う。



「憧れと恋は違うからな。奏汰のこと見失うなよ」


「はーい」



塁くんの言葉が自分の胸の中にどっさりと降りてくる。

あたしにとっていま手を繋いでる塁くんが恋だと信じたい。でも、多分塁くんは憧れだ。



「瑛梨奈さんが幸せならいいです」



どこか満足そうな唯ちゃんの顔。

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