空と君とダイヤモンドと

塁くんの今後⚾︎

「あしたドラフトかー」



ベランダではぁってため息をつく塁くん。



「深呼吸だよ。塁くん」


「今度こそいきたいんだ。プロ」


「…うん」



塁くんがずっとずっと思い描いている夢。
わかってる。
志望届けをだしてから今日までたくさんアピールしてきた。
どうなるかなんてわからないけど。
でも、どんな結果になってもあたしは塁くんを受け止める。



「琉希(リュウキ)は確実だろうなぁ…」


「そうだね…」



谷口琉希さん。
塁くんと同じ4年生でエースのピッチャー。
春のリーグ戦でも先発していて、そこに複数球団のスカウトが来ていたって噂。



「あ、そうだ」



あたしはポケットから神を取り出す。



「ん?」


「ほら、K大史上初の3人指名かって」



今日のスポーツ新聞には、琉希さんと塁くん。
そして風原祥矢(カザハラショウヤ)さんが載っていた。



「今日のかぁー。ほんとみんなでプロなれたらいいよな」



新聞をじーっと見つめる。

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