空と君とダイヤモンドと
「ほんと、瑛梨奈ちゃんには叶わない」


「え?」


「俺の重い心を一気に持ってってくれた」



あたしが触れた手を握りしめる。



「瑛梨奈ちゃんが俺のそぱにいてくれてよかった。俺の彼女でいてくれてよかった」


「…塁くん」


「はやくプロ野球選手なって、瑛梨奈ちゃんをかっさらいたい」



〝かっさらう〟という意味がわからなくてきょとんとしてしまう。



「ストレートに言わなきゃわかんないか?」



少し意地悪そうに笑って



「結婚、したいなって思ってるよ」


「けっ…」



塁くんの言葉に顔がかぁーっと熱くなる。



「そんな照れないでよ。こっちにも移る」



塁くんの顔を見ると塁くんの顔もほんのり赤くなっていた。



「ふたりで赤く、なってるね」


「ほんと。俺まだ手繋ぐことしかできてないのにな」



はぁってため息を零す。



「塁くん?」



塁くんの様子が違って首を傾げる。

< 296 / 533 >

この作品をシェア

pagetop