空と君とダイヤモンドと
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「部屋、行こう」



瑛梨奈ちゃんの手を握って階段を上る。



「え?大丈夫なの?」


「誰もこっちこねぇよ。指名会見はじまんだよ」


「あ、そっか…」



切なそうに唇を噛む。



「ここで会見見るより部屋で見た方が落ち着けるから」


「わかった」



俺の言葉に頷いて一緒に歩いてくれる。



「あ、もうやってる」



部屋に着いてテレビをつけるとちょうど琉希の指名会見だった。



高校の時も呼ばれなかった。
高校の時、琉希と一緒に泣いたんだよな。
で、大学進んで絶対プロになろうって2人で誓った。

その琉希が今日、プロの道を開いた。

俺はまた選ばれなかった。



「琉希さんの笑顔、本当笑ってない気がします」



俺の横に座ってテレビを見ていた瑛梨奈ちゃんがぼそっと呟く。



「え?」


瑛梨奈ちゃんの言葉に首を傾げる。

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