空と君とダイヤモンドと
「やべっ。完全に嫉妬だ」



自分の顔を覆う。



「塁くん?」


「今だってまだワカのほうが回数多いだろうなとか思っちゃってる。俺ってこんなに嫉妬深くなかったはずなんだけどなぁー」



はぁっとため息をつく。



「そんな…「あ、はじまる」



そんなこと気にしないでって言おうとしたがタイミング悪く、予告編たちが終わって本編が始まってしまった。



2度目のこの作品。
あたしとワカみたいな作品だなって共感した作品。
この2人みたいにずっと一緒にいたいって思った作品。
でも、あたしは今違う人とこの作品をみてるんだ。



あたしは映画を見ながらふと隣の塁くんに目をやる。
この人とずっと一緒にいると誓ったんだと
何度めか分からないこの問いを続ける。

これでいい。
これが最善なんだと言い聞かせる。


いつまで言い聞かせるんだろう。
いつまであたしの心にはワカが住み続けるんだろう。
1度住み着いた彼はなかなか出ていってはくれない。

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