空と君とダイヤモンドと
「おまっ…」


「ふふ。メリークリスマス」


「ビビるわ」



まぁ、キスぐらい挨拶みたいなもんか。



「なんか寒いよね?」


「だなー。ってドア開いてね?」


「あれー。閉め忘れたかな?」



架純がドアに向かって歩いていく。



「なんだろ。これ」


「ん?」



ドアの前でしゃがんでいる架純に近づく。



「こんなの落ちてた」



架純が拾い上げたのは小さな紙袋。



「開けてみれば?」


「うん」



俺の言葉にガサガサと中から包み紙を出して開ける。



「なんか可愛いの入ってるよ」


「え、それ…」



架純が持っていたのは星がついたピアス。



〝これ、架純にあげようと思う!〟
笑っていた笑顔を思い出す。



「誰かの落とし物?それともくれたのかな?」


「たぶん、良基だ」


「え?」


「見られたかも。キス」



俺の言葉に架純の顔が青ざめる。

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