空と君とダイヤモンドと
「ワカ?」



良基との電話が終わってすぐにワカに電話をする。



『おー、瑛梨奈。どした?』



いつもと変わらないワカの反応。



「単刀直入に聞くよ」


『なんだよ急に』



〝ははっ〟と笑うワカにチクリと胸が痛む。
もしかしたらもうこうやって話すことができなくなるのかもしらない。
でも、聞かないといけないんだ。



「架純となんかあった?」


『………なんかって?』



少しの間の後にワカがききかえしてくる。
この間は絶対わかってる。



「いまの間。わかってるでしょ?」


『さすが俺のことわかってますね。瑛梨奈さん』



なんてふざけた感じでいってくる。



「ふざけないでよ」


『嬉しいんだよ。大好きな瑛梨奈が俺のこと分かってくれてて』



〝大好き〟って言うくせに。
他の女の子といないでよっていう感情が沸き上がる。
こんなの抱いてはいけないのに。
あたしはワカを選ばなかったんだから。

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