空と君とダイヤモンドと
『そんな好きいらねぇよ』



ワカがぼそっと言う。



「え?」


『俺のことを見てくれない好きなんかいらねぇ』



そう1方的に電話を切られる。


なんなの、もう。
明日卒業式の後、野球部の送別会だけどワカとなんて話してやんないんだから。


この前まで〝好きでいてくれたら〟って言ってたくせに。
それにワカのこと見てるのに。
あたしはずっとずっとワカのこと見てる。


ワカのバカ。


架純に聞くべきなのか悩むけど、デリケートな問題だし。
ワカの態度からするに体を重ねあったのだろう。
あたし、ワカとまだだったのになんてここにきて嫉妬が出てくるあたしはどうかしてるんだ。



「この気持ちどこにぶつければいいのかな」



行き場のない気持ちを抱えながら
どうすることもできなかった。


明日4年生がいなくなる。
もう、近くにいつでも守ってくれた塁くんはいないんだ。
こらからは塁くんの立場上ワカに頼るわけにもいかないし。
塁くんなしで頑張らなきゃ。

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