空と君とダイヤモンドと
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「ちょっと電話。ごめん」



送別会の居酒屋。
隣座っていた塁くんが席をたつ。



「瑛梨奈の隣あーいた」



昨日あんな電話をしたくせに呑気にやってくる酔っ払い。



「………」



話す気になれなくて、ワカの方すら見たくなくて。
ああやって言うワカが悪い。
昨日の今日で簡単に許せるわけがない。



「無視すんなよ」



あたしの手に触れる。



「なっ…」



ワカの手をどかそうとワカの方を向いたまんまワカに止められる。



「やっとこっち向いた」



あたしの頬を包み込む。



「やめてよ、塁くん戻ってきちゃうし」


「じゃあ無視すんなよ」


「…わかったから」



あたしのうるさい心臓。
どっかにいけ。

ワカが近くにくるともうドキドキが止まらなくなる。
いつからこんなにドキドキさせられるようになったのだろう。

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