空と君とダイヤモンドと
「偉いとかいうなら呼ばないほうが偉いですけど」


「ふっ。それは無理。俺、いま塁さんの真似してるとこだから」



俺だって毎日瑛梨奈にこの場所で会うんだよ。
それだけは許して欲しい。
俺だって好きなやつとこうして自分だけの時間が欲しい。



「バカ。真似したって意味ないじゃん」


「いいんだよ。結果なんて見えないんだ」


「もうっ!あたしは塁くんと別れたりなんかしないんだから」



瑛梨奈が塁さんと別れるなんて思ってないことぐらいわかってるよ。
それでも俺はバカだから。
悪あがきがしたいんだ。



「つーか来たくないなら来なきゃいいだろ」



来たくないなんて思ってないことも知ってる。
想いの大きさに違いはあるけど、瑛梨奈は俺が好きだと思う。



「呼ばれたらきちゃうもん…」



困った顔をして呟く。



「ふーん。俺が好きだね。瑛梨奈は」



瑛梨奈の頬に触れれば、頬が熱を持つ。
どんなふうになるかなんて俺が1番知ってると思う。

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