空と君とダイヤモンドと
「バカ!あたしが好きなのは…「塁さんだもんな」



もう1度瑛梨奈の口から聞くなんて嫌で自分で言ってみる。
自分で言ってみて傷ついてるから俺は相当なバカなんだ。



「わかってるのに…」


「ごめんな。俺は相当諦めが悪いみたいだ」



こんなに諦めが悪い自分がいたなんて知らなかった。
つーか人を好きになったこと自体たぶん人生で2回目だし。
前は涼香さんだったけど、塁さんと付き合ってるって知ってすぐに諦めれたのに。



「別に無理に諦めてなんて言わないよ」


「ありがとう、俺の想い消さないでくれて」



たぶんこういうところだよな。
瑛梨奈を諦められないの。
いっそ可能性ゼロならって思うけど……──



「でも、あたしは…」


「わかってるって。俺が勝手にやってることだから」



俺は高校のときからずっと塁さんに憧れてきた。
その憧れの塁さんがいまは俺の好きな女と付き合ってるなんて残酷な運命だよな。

< 349 / 533 >

この作品をシェア

pagetop