空と君とダイヤモンドと
「おはよー」



改札の先にみえたのは塁くんの笑顔。



「塁くんだ!」



塁くんが見えて勝手に頬が緩むのがわかる。



「全然ちげーし」



ワカがふくれっ面になる。



「違うとは?」


「顔が。ムカつく」



そのまんまバンっとスイカをタッチするわ



「…顔?」



ワカの言ってることがわからなくてその場に立ち尽くす。



「瑛梨奈ちゃん?はやくおいでよ」



改札の先で塁くんが首を傾げる。



「あっ…」



あたしは小走りになって改札を通る。



「ワカの機嫌が突然悪くなったみたいで…」



先を歩くワカを見る。



「なんかめっちゃ早歩きで挨拶だけしてったよ」



クスクスと笑う。



「どうしたんだろ」


「まぁ、わかるけど」



塁くんはまだ可笑しそうに笑ってる。



「試合、大丈夫かな?」


「大丈夫。あいつ試合になると人変わるから。昔から。俺らも行こう」


塁くんが歩き出すからあたしも歩く。


リーグ戦いい試合になりますように。

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