空と君とダイヤモンドと
「なんなんだあいつ」



心底嫌そうな顔をするワカ。



「そこまで嫌がらなくても」


「嫌なもんは嫌だ。それに瑛梨奈の前で他の女と話すとかぜってー嫌だ」


「別に話すぐらい」



他の女の子って。
架純とは話してるじゃない。
って架純と他の女の子じゃわけが違うか。



「お前はそう思うかもしれねぇけど、俺が嫌なんだよ。少しでも一途って思われてぇの」


「そんなの…」



もう十分だよ。
十分すぎるくらいわかってるよ。
ワカがあたしを一途に思ってくれてるって。



「まぁ、塁さんも一途に思ってるわけだから、それは俺だけじゃないんだけどさ」



ワカがうーんと背伸びをして続ける。



「今の時点で勝ってるのはどうみても塁さんだから。俺は少しでも瑛梨奈のことが好きだって行動でも示したいんだよ」


「ワカ…」


「ほら、試合始まるから入るぞ」



ワカに手を引かれて球場へと入る。

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