空と君とダイヤモンドと
「あいつ先発なんだよな?」


「うん。あそこでキャッチボールしてるよ」



あたしは外野のほうでキャッチボールをしている星那をゆびさす。



「あ、ほんとだ。見つけんのはや」


「星那を見つけるのは得意なんだ」



昔っから星那ばかり見ていた。
野球している星那を見るのはどれぐらいぶりだろうか。



「好きだったから?」


「うん。物心ついたときからこっちに来るまでずっと好きだったからね」


「俺も瑛梨奈と幼なじみだったらよかった」



なんて頬を膨らますワカ。



「なにいってんの」



ワカと幼なじみなんて想像もつかない。
ワカとはここで知り合ったからこそこの関係が心地よいと思ってる。



「そしたら塁さんより先に出会うじゃん」


「別に今回だって塁くんよりワカのほうが先だよ」


「んなの微々たる差じゃねぇかよ」



実際、出会った順番なんて関係ない。
好きになったらそこまでなんだ。

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