空と君とダイヤモンドと
「まぁ、んなのは関係ないよな」



ワカもそのへんのことはちゃんとわかっているようで。



「出会った順番で好きになってたら苦労しないよね」


「だな。だったらマジで誰よりも先に瑛梨奈に出会いたいもん」


「もうそれ同じ産婦人科で出会いましたレベルじゃ」



そんな話をして笑い合えてるあたしたち。
これでいいんだとおもう。
気持ちに応えられないあたしといつも一緒にいてくれるワカ。
この存在がとてもありがたいんだ。



「あ、試合始まるな」



ワカの言葉とほぼ同時ぐらいに試合開始の音が鳴る。



───プレイボールッ



その声とともに星那の第1球が投じられる。



「あいつほんといい球持ってるよな」



ワカがマウンドにいる星那を真剣にみる。



「うん。ほんとに」



高校の頃なんども星那の投球に助けられた。



「なんで、こっちの大学こなかったんだろ」


「莱久がいたからかなぁ…」



星那ならこっちの大学野球でもっと上を目指す道もあったはずだ。
でも、それをしなかったのは莱久を諦められなかったから。

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