空と君とダイヤモンドと
「決勝の舞台見にこれてよかったな」



ワカがあたしの頭にポンっと手を置く。



「うん!」


「ってか良基はあっちで見てんだっけ?」


「そう。内定してる野球部で見なきゃならないみたい」



良基はプロ志願も出さず、もうすでに来年の道が決まっている。
就活をしてる身としては羨ましいけど、野球部として入社するわけだからそれはいろいろ大変だろう。



「あいつは毎試合みにきてたんだもんな」


「うん。羨ましい」



良基はまだ入社してるわけではないけど、見に来るように言われていたみたいで、学校もそれを許していたからみにこれていた。



「俺らは俺らでとりあえず応援しようぜ」


「うん」



ふと上の方の席に少し硬くなった良基がみえる。



「ねぇ、ワカ。あそこ見て」


「ん?」



あたしの指さす方向にワカが目をやる。



「なんだあれ。良基借りてきた猫みてー」



背筋をピンと伸ばして座っている良基をみてワカが爆笑してる。

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