空と君とダイヤモンドと
「こんな所よく知ってるね?」


「北川さんが教えてくれた」


「北川さんが?」



この前の塁くんの会社のグラウンドであった北川さんが脳裏に浮かぶ。



「あの人毎試合かわいいこナンパしてんだよ。前からみたいだけど」


「なにそれー!チャラいってか北川さんってたしか…」



この前あった時の指輪を思い出す。
たしか薬指に。



「そう。既婚者」


「わぁー遊び人」


「まぁ、可愛い子見るとねーみたいなこと言ってた」



北川さんのことをおかしそうに話してたかと思うと急に真面目な顔になる。



「ご褒美欲しい」


「ご褒美?」


「うん。キスしてよ」


「なっ…!?」



塁くんの言葉に塁くんから逃げようとするけどすぐに塁くんの手に捕えられる。



「俺、今日のヒーローだよ?」



甘えたように言ってくる塁くんにかぁっとなる熱が収まらない。



「もうっ!」



どうにでもなれって思った。
塁くんがキスを望むならしてやろうと。

< 397 / 533 >

この作品をシェア

pagetop