空と君とダイヤモンドと
「嬉しかったよ。だから、さっき電話きて一番にワカに伝えたくて走ってきた！」


「…一番？」


「うん。電話きてす…━━グイッ」



あたしの言葉はワカに腕を引っ張られて遮れた。



「…ワカ？」


「一番とかさ、言うなよ」


「…え？」


「どこまで好きにさせんの？」



ぎゅっと力を入れて抱きしめられる。



「ちょっと…」


「俺はたとえプロになってあえなくなっても瑛梨奈のこと好きなんだろうな」


「っ」



ワカの大きな大きな気持ちに応えられないことが本当に辛い。

〝あたしも、好きだよ〟
と言ってしまえば、1人の大切な人を裏切ることになる。

自分が２人いたらどんなにいいのにとなんど思ったことか。



「困らせるつもりなんかないんだ。ただ、俺に一番とか言われたらやっぱり好きな気持ちが大きくなる」


「ごめんなさい」


「謝るなよ。うれしいんだから」



ポンっとあたしの頭を撫でるワカの顔はやっぱりなんだか切なげだった。

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