空と君とダイヤモンドと
「え!?Fからきてんの!?」


「あぁ」


「他は?」



ドラフトで指名するかもしれない球団からは少し前に調査状が届くようなっている。
それが絶対指名に繋がる訳ではないけど、可能性があるのはたしか。



「RとDかな」


「なるほどー。Dは地元だもんね」


「うん。前の俺ならDに一番行きたかったんだろうなぁ」



たしかにだいたい子供の頃は地元の球団を好きになるものだ。



「地元に行きたいもんだもんね」


「うん。でも、いまは瑛梨奈と近くの方が嬉しい」


「親不孝だなぁ」



こんなことを言いつつ、うれしい。
気持ちには応えられないくせに。
ずっと好きでいてくれたらいいのにって思ってしまうあたしはどうかしてるのだろうか。



「うちの親はどこでも見に来るよ」


「ワカってお父さんが野球部の監督なんだっけ?」


「そ。高校のね」



前に家族について聞いたことがあったけど。
野球一家だなってイメージを持った。

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