空と君とダイヤモンドと
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「ドラフト4位まで終わっちまったか」



俺は部屋のベッドではぁーっとデカイため息をつく。



「プロ、無理だったかな」



プロになるのは物心ついた時からの夢だった。
父さんと一緒に歩んできた夢だったんだ。
いつからか父さんが叶えられなかった夢を俺が。
それが俺の夢だった。



〝まだ呼ばれないのな〟
と、口を開けば憎たらしい弟からのLINE。


〝うるせー。まだわかんないんだから黙っとけ〟
と返しておく。


こんな感じだけど別に仲が悪いわけではない。
そんな弟はいままだ中学生で。
こいつも野球をやってるから、俺がダメならお前の番だぞって心で思う。

本人に行ったら『俺におしつけんな』とかって返ってきそうだから。

でも、俺らのどちらかが父さんの夢を叶えなくてはならない。
絶対になりたいんだ。プロに。



『父さん、夢が叶ったよ!』
って言ったら父さんは笑ってくれるかな。

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