空と君とダイヤモンドと
「大丈夫。何にするか全然決めてなかったけど今決めた」


「…今?」



そんなんで大丈夫なのかと心配になる。



「いままでと同じくM社に決めた」


「いいの?」


「M社かW社で迷っててさ。でも、これ使いたいから」



大切そうにあたしのタオルを見つめてくれる。



「ありがとう。つかってくれて…ここ見て」



タオルの右端を指さす。



「ん…?WAKA?」


「うん。背番号にしたかったけどまだ決まってないしと思って」



刺繍にしてみたけど、名前なんてなんか小学生みたいで恥ずかしいかなとか思ったり。



「ありがとう。この世にひとつしかない気がしてすっごくうれしい。大事に使うな」


「よかった。こういうの試合でも使えるの?」


「うん。投げた後にベンチでな」



ワカがベンチでこのタオルを使うところがテレビに映るかもしれないなんて考えたらなんだかにやけてしまう。

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