空と君とダイヤモンドと
「瑛梨奈ちゃんは無理はしないでね。1年目って覚えることたくさんで大変そうだし」


「ありがとう」


「でも、約束して。もしも会社とかまぁ他でもいい。なにかあって辛くなったときは必ず俺に電話して」



自分のスマホを指さす。



「…塁くん」


「離れていても俺が瑛梨奈ちゃんの支えになりたい。今までその役はワカだったと思うんだけど。俺がやるべきことだと思うから」


「…うん」



いつまでもワカに頼ってるのがおかしいことなのだと理解する。
そうだよね、彼氏以外の男の人に頼ってばっかじゃダメだよね。



「まぁ俺、野球しかやってないから仕事のことはよくわかんねぇけど」


「でも、塁くんのほうが先に社会に出てるよ?」


「それはそうなんだけどさ。うちは出社は月1でいいし、やっぱそこは他とは違うからさ。いいアドバイスなんかできないと思うけど、話ぐらいは聞けるからさ」



その優しさが嬉しかった。
あたしを大事にしたいって気持ちが手に取るようにわかったから、あたしも塁くんを大事にしたい。

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