空と君とダイヤモンドと
「瑛梨奈!」



角を曲がろうとしたとき前から知っている声がする。

その声を聞いたとき、有紗に見せるのはマズイと感じた。



「ど、どうしたの!?」



目の前のその人はサングラスをしていて。
ぱっと見ではワカって分からないかもしれない。
でも、あたしには分かるから有紗にはどうなのだろう。



「会いにきた」


「瑛梨奈?彼氏!?」



隣の有紗の目はキラキラ輝いてる。



「そう!彼氏デース!」



ノリノリで答えるワカ。



「ちょ、変なノリやめなさいよ!」


「ハハッ。悪ぃ。会社の子?」


「…うん」



ワカのことがバレてしまわないかあたしはハラハラしてるのに、ワカは能天気。



「ごめんね、この子借りてもいいかな?」


「あ!はい!帰るところだったんでどーぞどーぞ」



有紗があたしの肩を押してワカの隣に移動させる。



「有紗、ごめんね」


「いいのいいの!また休み明けね!」


「うん!」



有紗はそのまま歩いてあたしたちから遠くなっていく。

< 434 / 533 >

この作品をシェア

pagetop