空と君とダイヤモンドと
「来月、クリスマスじゃん。こっちに塁さん来るの?」


「ううん」


「じゃあ行くの?」


「まさか。仕事で行けないよ。平日だもん」



学生の時とは違う。
自分の都合で休むことなんてゆるされない。



「クリスマス、俺が一緒に過ごしてやるよ」


「はぁ?」



この人は何を言ってるのかわっているのだうか。



「俺、クリスマス前日にまたこっちくるんだ。だからクリスマスもいるし一緒に過ごしたい」



ワカがあたしの目を見て真剣に話す。
これは、ワカは本気だ。
本気の目をしている。



「…でも」



クリスマスを一緒に過ごすって特別な事だと思ってる。だから、彼氏がいるのにワカと過ごすことは有り得ないことだ。
なのに、どうして断りの言葉がすんなり出ないのだろう。



「塁さんに内緒でいいから」


「…え?内緒なんて」



隠し事っていうのは好きじゃない。
ただでさえ、本当はワカのこと特別に思ってることを内緒にしてるのにこれ以上は…。

< 437 / 533 >

この作品をシェア

pagetop