空と君とダイヤモンドと
春のリーグ戦ワカはすっごい悔しい思いをした。
だからこのキャンプでたくさん力をつけてってほしい。まだまだ伸びしろがある選手にに違いないし。



「瑛梨奈、俺。秋いい成績残して惚れさせるから」



あたしにグーポーズをしてグラウンドに走ってく。



春季リーグのあと。
ワカに告白された。
返事はしなくていいって言われた。

でも、どうやってもあたしの目に映るのは塁くん。
練習していてもどうしても塁くんを目で追ってしまう。



「瑛梨奈?」



後ろから知っているような声が届く。



「雷人!莱久!」



振り向くとそこには幼なじみのふたりがいた。




「おばさんから瑛梨奈がここにいるって聞いてさ!」



雷人が嬉しそうにあたしの隣にすわる。



「雷人が行きたいって言うから」



莱久もそっぽを向いて言う。



「ほんとは莱久のほうが会いたかったんでしょ?」



莱久の頭を撫でる。

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