空と君とダイヤモンドと
「瑛梨奈!瑛梨奈!」



会社につくと有紗が慌ただしく走ってくる。



「どうしたの?」


「若松くんが一軍あがったみたいなの!」


「え!?」



にこにこした有紗に大きな声で反応してしまうあたし。



「そんな驚く?瑛梨奈のことだから大して興味ないかと」


「いや、1年目なのにすごいなぁと思って…」



危ない。
素で反応してしまうところだった。



「今日からこっにくるってこと?」


「うん。もう来てるんじゃない?」



札幌にワカがいる。
べつに会えるわけでもないのに嬉しかった。
ワカの頑張りがついに認められたんだ。



〝一軍昇格おめでとう〟

このぐらいLINEしてもバチは当たんないよね。


返してくれないかもしれない。
また既読無視かもしれない。
でも、お祝いぐらいしてもいいよね。
きっとたくさん祝われてるんだろうけど、本当なら近くにいて一番にお祝いしたかった。
大学時代とは違う環境に切なくなる。

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