空と君とダイヤモンドと
「もう、あいつのあんな顔は見たくないから」


「バカ。星那の気持ちも考えてやってよ」


「お前、まだ星那が?」


「いや!それは違うよ」



あたしはその場に立ち上がる。



「仕事しなきゃなんないし用ないならもう帰ってよ」


「みーんな星那が好きで嫌になっちゃうな。明日にでも星那に行けって言っといてやるよ」



雷人があたしの頭をポンッと撫でる。



「もう、ほんとに好きじゃないよ」



完全に忘れたって言ったらうそになる。
でも、いまは星那よりも塁くんのほうが好きだし。



「ふーん。他にできた?」



雷人がニヤっと笑う。



「どーでもいいでしょ!」



あたしは雷人を突き飛ばして、ボール集めを始める。



「思い出すな。高校の野球部」



あたしの横で一緒にボールを拾ってる。


「あんた全然野球似合わない格好だけど。いま」


「ふはは!瑛梨奈らしいや!」



雷人がお腹を抱えて笑う。

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