空と君とダイヤモンドと
「ワカから連絡きたりした?」


「ううん。くるわけないじゃん」



あれだけ既読無視されてるのに。
あっちから送ってくれるわけがない。


「そっかぁー。まぁいっか。塁くん応援すんでしょ」



架純にぽんっと背中を叩かれる。



「もちろん!」



あたしは塁くんの彼女。
塁くんの彼女らしくしてなきゃいけない。
ほかの人のことなんて考えられないくらい塁くんを好きにならなきゃいけない。



「あ、はじまるー!」



架純の言葉に目の前で行われてる試合に集中することにする。



「大学時代はいつも見てたのに、久しぶりにこういう試合みるなぁ」


「みたじゃん。ドームで」


「そういうんじゃなくて、こういうアマ野球」


「まぁ、そりゃ就職しちゃうとねってか瑛梨奈ってこっち応援していいの?」



架純がこんなこというのには理由がある。
今日決勝戦で塁くんのチームと当たっている相手こそあたしが務めてる会社だからだ。

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