空と君とダイヤモンドと
━━ガサッ



草の擦れる音が聞こえて振り向く。



「だれ、そいつ」



不機嫌な声を漏らす相手はワカ。



「…ワカ」


「うわー。敵意むき出し」



雷人がからかうように声を発する。



「ちょっと雷人」


「ごめんごめん。こいつ、瑛梨奈のこと好きだろ?」



可笑しそうに笑う。



「もう!そういうのやめて!ワカははやく練習戻る!」



ワカの背中をグラウンドに向かせる。



「どーいう関係?」


「幼なじみ!なにもない!」


「ならいい」



それだけ言うとグラウンドへ走っていく。



「あいつ、かなり惚れてんな。お前に」


「うるさいよ!」


「ふーーーん。神奈川いってもてるようになっちゃった?こっちではそんな気なかったもんなー」



あたしの髪の毛をぐしゃって撫でる。



「うるさい!」



あたしと雷人の小競り合いはまだまだ続く。

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