空と君とダイヤモンドと
「なんかこの前までの元彼の話するときよりいい顔してるよ」


「…そうかなぁ」



そんなつもりはないのにそう見えてしまうのならそうなのだろうか。
別にどっちかとどうとか比べたことはないけど。

でも、ワカとだと全然気をはらなくてよくて。
そして塁くんだとなんだか気を使ってしまっていたのはたしか。



「まぁ、そんなことどうでもいっか」



もう鼻歌歌ったりなんかして有紗は本当に自由。
だからかなこっちも疲れない。



「人の恋愛話より有紗はどうなのよー」


「出会いがないもんー。ほんとどっかに若松くんみたいなイケメン転がってないかなぁ」


「転がって…」



あたしがワカとただの友達だったらこんなふうに連絡が取れなくなることだってなくて。
有紗にワカを紹介したりできたのかな。
紹介なんてしたくないけど。



「あー彼氏欲しいなぁ」


「…まぁ、そのうちね」



出会いがあるよ。有紗かわいいし。
あたしはしばらくはいらないかなぁ。

< 480 / 533 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop