空と君とダイヤモンドと
「加耶さん、今日ワカの話ばかりだったから」


「あいつ…内緒にしろって言ったのに」



変なウワサになったらどうすんだよ。



「加耶さんと付き合ってるの?」


「付き合ってないよ。今日だけって約束で迎えにきた。仕方なく」


「加耶さんが一方的になんだ」


「…そうだね」



すこし瑛梨奈の声が嬉しそうなのは気のせいだろうか。



「そういえば、塁さんと別れたんだね?」


「…うん」


「なんで言ってくれないの?」



そしたら真っ先に瑛梨奈に連絡ができたのに。



「…ワカがしにくくしたんでしょ」


「え?」


「あたしはずっと連絡してた。なのに、ワカは返事くれなかったじゃない…だからもうできなかったよ。連絡なんて」



瑛梨奈の目から涙がこぼれ落ちる。
俺の行動が瑛梨奈を苦しめてたのか?



「ごめん、忙しく「良基と架純には連絡してたの知ってるから」



俺の胸を推して俺から離れる。



「バイバイ」



そのまま瑛梨奈は走り去ってった。
俺は追いかけることさえもできなかった。

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