空と君とダイヤモンドと
「あ、ちょっと待ってください」



居酒屋に向かおうとして歩きだしたとき、ポケットに入ったスマホが震えだした。



「もしもし」


『あ、ごめんねー大丈夫？』



電話の相手は塁くんと去年まで同じチームでやっていた秦くん。
秦くんはあたし達と同い年だけど高卒で社会人野球を初めて去年のオフで引退した。



「大丈夫ー！どしたの？」


『なんかさ、八幡さんが塁さんと瑛梨奈ちゃん別れたこと、若松に言ったみたいでさ』


「あー、だからか…」


『もう会ったんだ？』


「あ、うん」



八幡さんと秦くんは、塁くんのチームで一緒にプレイをしていて、八幡さんはワカの一年前にFにプロ入りしてるから今ではチームメイトだ。



『なんかごめんね。瑛梨奈ちゃんの口からいう前に八幡さん言っちゃってさ』


「ううん。いいよ。わざわざありがとう」



秦くんとの電話を切る。



「ごめんね！お待たせ」



待っていてくれた３人の元へと駆け寄る。

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