空と君とダイヤモンドと
「あ、君!若松くんだよね!?」



星那が突然思い出したように言う。



「は?」



ワカは怪訝な表情。



「高校のとき、秋の神宮大会で対戦したよね?」


「あー。札高の選手か…」


「試合後瑛梨奈と三人で少し話したよね?」


「え!?」



ワカではなくあたしが声をあげてしまう。

前にワカも言ってたけど、ほんとに覚えてないんだ。
何人かと話した記憶はあるんだけど、それがワカだったかどうか。



「あー。あの時のキャプテンか…」



ワカも思い出したみたいで頷いてる。



「なんでふたりして覚えてんの?」


「いや、瑛梨奈が記憶力ないだけじゃん?」



星那があたしの頭を指さす。



「もうっ!」


「あんま触んないでくれる」



ワカが星那の手を掴む。



「なに?瑛梨奈の彼氏なの?」



星那があたしとワカを交互に見る。



「違う…」



あたしはそのままグラウンドに向かう。


星那には勘違いされたくないっていう
わがままな気持ちが出てきてしまう。

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