空と君とダイヤモンドと
「瑛梨奈ちゃん?」



歩いていると塁くんに声をかけられる。



「塁くん!」



塁くんの顔を見ると嫌だったことがぜんぶなくなる気がする。

塁くんってすごいや。



「最終日はさ練習の後花火があるんだよ」


「あ!なんか皐月くんが言ってた!」


「楽しみだね。花火」



あたしの顔をのぞき込む。



「花火さ、終わったら…」



ふいに塁くんが真剣な顔になる。



「え?」


「ふたりで散歩しようか」



いたずらっぽく微笑む。



「うんっ!」



嬉しくなって何度も頷く。



「ははっそんな首振らなくても大丈夫だよ」



あたしの頭を撫でる。



そうだ。
似てるんだ。
星那と少し。
だから最初から塁くんに惹かれたのかな。
手の温もりも似てる。


「瑛梨奈!」



後ろからバタバタと走る音が聞こえる。



「…星那。どうしたの?」


「さっき様子おかしかったから…」



ちらっと塁くんを気にしながら話す。

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