空と君とダイヤモンドと
「…その話かよ」



はぁっとため息をつく。



「秦くん行こう」



それ以上聞きたくなくて、秦くんの服の裾を引っ張る。



「あ、おい!」


歩こうとしたあたしにワカの声が届く。



「あんま話してるとファンに見つかるよ。また」


「またってなんだよ」


「今度は一般人なんて書かれたらワカが困るでしょ。行こう秦くん」



ワカの顔を見ずに歩き出す。



「待てよ。俺の話聞けって」


「載せられたくないから話なら電話でもしてよ」



振り向かずに伝えてまた歩き出す。



「いいの?」



秦くんが心配そうにあたしの顔を覗きこむ。



「うん。載せられたくないし」



あたし、小宮麗華と違って一般人だし。
小宮麗華と映ってた話をされるのもいやだし。
なにか言い訳をされるのも違うと思う。



「いつの間にが有名人だよなー。あいつも。高校の時はライバル高だったのになー」



うーんと背伸びをしながら話す。

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