空と君とダイヤモンドと
「ごめん、飲みに行ってて」


「ううん。急にきたのはあたしだし」


「もう今日は来てくれないかと思った。今度は秦に取られるのかと思った」



ワカの部屋に入るなりあたしをぎゅっと抱きしめる。



「秦くんとはそんなんじゃないよ…」


「なんもなかった?」


「うん。塁くんも来たよ」


「塁さんかよ…」



ワカの表情が沈む。



「そんな沈まないでよ」


「塁さんとか嫌な予感しかしない。なにあった?」


「まぁ…告白されたかな」



嘘をついてもどうしょうもないと思うので正直に話す。



「…やっぱり。で、返事は?」


「断った」


「へ?」



あたしの言葉にきょとんとした顔になる。



「そんな変なこと言った?」


「言った。断ったって言った」


「うん。事実だからね」



変なことは何一つ言ってない。
出来事をありのままに言っているつもりだが、ワカにとっては違うらしい。

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