空と君とダイヤモンドと
「なにそれ、めっちゃ俺のこと好きじゃん」



ニコっと笑ってあたしの顔を覗き込む。



「こんな感情引かない…?」


「どこが?俺なんてずっとそんな感情抱いてるっつーの」


「…普通なの?」



普通だとおもってなかった。
いままでここまでの負の感情を抱くことがなかった。
普通に恋して普通に失恋して。
というか恋をしたのなんて、ワカ含めて3人しかいないけど。
ここまでの感情を抱いたのはワカが初めてだ。



「ってか、好きなのは否定しないんだ?」



意地悪な笑いを浮かべる。



「うっ…」



なんだか今更だけど認めるのが恥ずかしい。
なんでワカにだと好きって素直に言えないんだろう。
塁くんには結構言えてたのに。



「そろそろ俺と付き合ってくれない?」


「え?」


「俺、大学一年から瑛梨奈以外のこと好きになったことないよ?すごくない?俺絶対浮気しないと思わない?」



たしかにワカが浮気するなんて思わないけど。

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