空と君とダイヤモンドと
「待って!」



バタバタと後ろから足音がする。



「ワカ、終わったの?」


「あぁ。お前ら俺を置いてくなよ」



どこか不機嫌なワカ。



「なんでそんな不機嫌なんだよ」


「たとえ良基でも瑛梨奈と2人とか嫌だ」



不機嫌オーラ丸出しのまま話す。



「ガキかよ」



良基がワカの頭を叩く。



「いいじゃん。モテてんだから。良基はモテないんだから」



あたしがワカに言えば



「おい、密かにディスるなよ!」



良基があたしの頭を叩く。



「良基、先乗ってけ」



ワカがたった今きた電車に良基だけ押し入れる。



「え、乗らないの?」


「お前はダメ」



乗ろうとしたあたしはワカの手で捕まえられる。



「ワカファイト」



なんて電車が発車するとき良基が声を発する。



…なんなの。もう。
早く帰りたいのに。
ワカだって疲れてるはずなのに。

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