空と君とダイヤモンドと
「どうしたの?ワカ」



ホームのベンチに腰をかける。



「俺以外とふたりでいるの嫌だから…」



ワカが拗ねた声をしてる。



「良基だよ?」


「良基でも嫌なもんは嫌だ」


「いつからそんな独占欲強くなったのよ…」


「わかんねぇ。俺こんなんじゃなかったはず」



自分の頭をガシガシっとかきあげる。



「良基だってモテたいのにワカばっかもてて…」


「てかさっきから何気に良基のことディスってるのツボなんだけど」



ワカがゲラゲラ笑い出す。



「いやだってモテないし…」


「まぁ、そうなんだけどさ。ほんとうけるわ」



笑いが冷めないみたいでずっと笑ってる。



「だからモテない良基といてあげないと」


「だったら俺モテるの良基にあげるし。それで瑛梨奈といれるなら」



真剣な顔のワカに見つめられて顔が赤くなる。



「ふっ…顔真っ赤」



あたしの頬に軽く触れる。

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