空と君とダイヤモンドと
「お前だけいればそれで」



あたしに顔をちかづけてくる。



「いや、あのあたしは…!」



ワカから必死で顔を背ける。



「瑛梨奈以外なんて誰もいらないんだ。だから早く俺を見てくれよ」



こんな整った顔のワカに顔を近づけられて
しかもこんなセリフを吐かれて。
ドキドキしないわけがない。
ずっとドキドキしっぱなしだよ。
でも、それは恋じゃない。



「ごめん」


「ダメなんだよな。俺じゃあ」



はぁっとため息をつく。



「ワカのことは大事なの。でも塁くんが!塁くんが好きなの。ごめん…」


「分かってる。初めから負け戦なんてのはずっとわかってんだ。瑛梨奈が塁さんのこと諦めるわけなんてないし。でも最近塁さんとなんかいい感じじゃん?焦っちゃうわけよ。俺的には」


ははっと笑って話す。



「ありがとう」



あたしはペコって頭を下げる。


こんなに想ってもらえるような存在じゃないのに。
でも、ワカはずっと大事なんだと思うよ──


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