空と君とダイヤモンドと
「そうだよ!それの何が悪いの!?」



悔しそうな顔になる。



「こいつはな、誰目当てでもない。純粋に野球が好きなんだ。だから俺はこいつが好きだ!散れ!」



ワカの剣幕に2人は走って逃げる。



「大丈夫か?」



ワカがあたしを心配そうに見る。



「…うん」


「嘘だね。震えてる」



あたしの手に触れる。



「…あっ」



自分でも気づかなかった。
見てみるとほんとに手の震えが止まっていない。



「ごめんな」



ワカがあたしを抱きしめる。



「ワカが悪いわけじゃないよ」


「俺がカッコよすぎるからさ」


「は!?」



ワカの言葉にプッと吹き出す。



「はは。やっと笑った」



あたしの頬をつねる。



「…ワカ」


「俺が見てるから。瑛梨奈の頑張りは」


「うん」


「ハッキリ言って、塁さんよりも近くで見てる自信あるから」



もう一度あたしを抱きしめる。

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