空と君とダイヤモンドと
「どしたの?2人…」



背後から聞こえた声にワカの体を自分から剥がす。



「…塁さん」



ワカが気まずそうな顔で塁くんを見る。



「二人って…」



塁くんも気まずそうな顔になる。



「瑛梨奈のことお願いします!」



ワカが塁くんに頭を下げる。



「え?」


「塁さんに守ってもらえ」



あたしの肩をポンッと叩いて



「練習戻ります」



そのままグラウンドへ駆けてった。



「どうしたの?」



塁くんがあたしの顔をのぞき込む。



「ワカのファンなのかな?その子たちにちょっと…」


「痛いことされたの?」


「うん、まぁ…」



塁くんの顔がちゃんと見れなくて俯く。



「焦った」


「え?」


「2人付き合ってんのかと思った」



あたしのことをぎゅっと抱きしめる。



「付き合わないよ。あたしが好きなのは塁くんだもん」


「ははっ。ありがとう。いろいろ片付けるから待っててな」



あたしの頭を撫でる。


待ってれば。
待ってれば明るい未来がそこにあるはず。

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