空と君とダイヤモンドと
「待てって!」



ワカはすぐにあたしに追いつく。



「…ワカ」


「ごめん」



ワカがあたしに頭を下げる。



「え?」


「俺、瑛梨奈の彼氏でもないのにうざいよな」


「…ワカ」


「わかってんだよ。俺に聞く権利ないってことぐらい。でもさ、気になる…」



ワカがあたしに顔を近づけてくる。



「…塁くんと」


「塁さん?」


「うん。一緒に過ごそうって言われて」


「そっか。やったじゃん」



ワカがあたしの頭を撫でる。



「ありがと」


「そっかー。塁さん、瑛梨奈のこと好きなんだろうね。塁さんならいいんだ…うん」



ワカが自分に言い聞かせるように頷く。



「塁さんと付き合ったとしても俺は諦めないから」



急に真剣な顔になる。



「ワカならモテるのに…」


「だから言ってるじゃん。瑛梨奈じゃないと意味無いって」



あたしの頭を撫でる。

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