空と君とダイヤモンドと

「なんでそこまで…」


「なんでだろーな？俺もわかんねぇ。瑛梨奈よりもかわいい女なんて山ほどいるもんな」


「バカ！」



ワカの背中をバッグで叩く。



「ははっ。ほんとのことだからな」


「ムカつくー！」


「でもさ、なんでかわかんないけど、どんなに綺麗とかかわいい女よりも瑛梨奈が一番俺にとってはかわいいんだ」



ワカの言葉に恥ずかしくなって顔を背ける。



「ワカ、しばらく好きって言わないで」


「は？」



ワカが怪訝な顔になる。



「間違っちゃいそうだから」


「なにが？」


「好きって言われ続けたらなんか困る」


「やだよ。言うよ。俺は自分の好きな時に言うから」



ワカが歩き出す。



「そーですか」



あたしもワカについて歩き出す。



「俺こんなにいい男なのになー。もったいねぇなー。瑛梨奈」


「塁くんだって…」


「塁さんがいい男なのは瑛梨奈よりも知ってる」



あたしの頭を小突く。