空と君とダイヤモンドと
「だって高校の時だと瑛梨奈あの部屋いれないもん」


「え?」


「あの部屋はこの子の部屋だったから」



ワカの言葉にドクンと心臓が波打つ。



「この人、いまのあたしの部屋にいたの?」


「うん。瑛梨奈みたいにベランダで毎日話してたよ」


「…そうだったんだ」



この展開は予想していなかった。



「瑛梨奈?」



ワカが首をかしげる。



「あたしとだけの思い出じゃなかったんだね」



あたしは壁によりかかる。



「…瑛梨奈ごめん。言わなきゃよかった」



ワカがバツの悪い顔になる。



「いいの。あたしと塁くんで新しいページを作っていくから」



そう。
あたしと塁くんだけの
新しい思い出を作っていけばいいだけ。



「強いな。お前なら大丈夫」



あたしの髪の毛をワシャワシャとする。



「今あそこに住んでるのはあたしだから。クリスマス楽しんでくる!」


「おう、楽しめ!」



ワカの笑顔に助けられる。
ワカはいつだってあたしの味方だ。


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