空と君とダイヤモンドと
「やっぱり電話してみようかな…でも、LINEも既読にならないしなぁ」



フェンスに寄りかかりながら頭を悩ませる。
あれから結構経った。
何度確認してもLINEはきていないし、既読にもなっていない。



「なにしてんの?」




自転車に乗ったワカが耳からイヤホンを片方外す。



「ワカ」


「お前、塁さんは?」


「約束の時間は過ぎてるんだけどねぇ」


「約束って何時だよ?」



自転車を停めてあたしのところまで走ってくる。


「13時…」


「お前もう、2時間経ってるぞ!?つーかずっと外にいたの!?めっちゃ体冷えてんじゃん!」



あたしの腕に触れる。



「待ってるうちにそんな時間経ってたんだ…」


「普通いったん寮戻るだろ」



自分の上着を脱いであたしの肩にかける。



「ワカが寒くなっちゃうよ」


「いいから。着とけ」


「…ありがとう」



ワカの優しさに堪えてたものが溢れてくる。



「おまっ泣いて…」



ワカが自分の胸にあたしを引き寄せる。


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